JBL 4310 モニタースピーカー考察
JBL 4310
JBL 4310 解説
JBL 4310はJBLがプロモニタースピーカーに本格参入した1971年に発売された歴史ある小型モニタースピーカーです。 JBL 4310を構成するスピーカーユニットは、低域に30cmコーン型ウーファー123A-1、中域に13cmコーン型スコーカーLE5-2、高域にダイレクトラジエーターLE20-1をそれぞれ搭載しています。30cmコーン型ウーファー123A-1はフルレンジユニット的な性格を持つ、コーン紙の頂角を浅くし聴く範囲を広くとったものです。これらのユニットは全てコンシューマー用の型番で構成され、磁気は全てアルニコです。後の1973年に発売されたJBL L100 Centuryは、このJBL 4310のコンシューマー用モデルです。エンクロージャーは米松一枚板（厚19mm）をロックマイヤー接合方法で強固に組まれています。また、フロントバッフルの中域スコーカーと高域トゥイーター部分にサブバッフルが設けられているのが大きな特徴です。もう一つの大きな特徴はフロントバッフルの上部にウーファー、下部にスコーカーとトゥイーターのレベル調整アッテネーター変則的なレイアウト構成を採用していることで、これはJBL 4310が高所に設置されることを想定したことによるものです。JBL 4310の主な使用用途は小さなミキシングルームや編集ルーム、放送局等の検聴用、そして映画音声のミックスダウン等に幅広く利用され、日本では小型であることから家庭用として、また狭いジャズ喫茶などでも利用されました。
●JBL 4310/4310AWX：1971年発売
・3ウェイ・バスレフエンクロージャー（幅364×高さ600×奥行300mm）本体重量:23Kg
【ユニット構成】低域：123A-1・中域：LE5-2・高域：LE-20-1【クロスオーバー周波数】1.5kHz/7kHz
【周波数特性】30Hz〜15kHz ±5dB 【指向特性】90゜(水平、垂直)
【最大許容入力】50W（連続プログラム）
【インピーダンス】8Ω【能率】91dB（新JIS）
JBL 4310とマイケル・ジャクソンのレコーディングエンジニアとして有名なブルース・スウィーデン氏
マイケル・ジャクソンの大ヒットアルバム'Thriller', 'Bad' , 'Dangerous'もブルース・スウィーデン氏の録音
●JBL 4310 現状の中古マーケット状況・その他
小型モニタースピーカーJBL 431Xシリーズの中で、もっとも希少価値性が高く滅多に市場に現れません。発売から40年の長い年月が経過していることから、もはやオリジナルのコンディションを保っているもの殆どありません。多くがウーファーのウレタンエッジの劣化からコーン紙の張り替えか、エッジの交換がなされています。これらを交換したJBL 4310でさえ中古市場に滅多には現れず、入手非常に困難です。中古価格も高くペアで30万円を超えることもあります。
●JBL 4310 当時の販売価格
JBL 4310：\175,700
JBL 4310AWX：\186,600
＊いずれも、１台の販売価格
