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1973年に、JBLがその威信をかけて開発した4ウェイの超弩級スタジオモニタースピーカーシステムJBL 4350は、発売から2年後の1975年にウーファーをそれまでの2230Aから、2231Aに変更したモデルです。その他は、JBL 4350と全く同一で、クロスオーバーネットワークに一部分としてエレクトロニック・クロスオーバー(チャンネル・デバイダー)を導入しています。それは、低域と中低域以上をエレクトロニック・クロスオーバー(チャンネル・デバイダー)で分割し、2台のパワーアンプでドライブするバイ・アンプ(マルチ・アンプ)の方式です。ユニット構成は、低域38cmウーファー2231Aを2本、中低域(ミッドバス)30cmウーファー2202A、中高域(ミッドハイ)ドライバー2440とホーン2311+音響レンズ2308、そして高域にはトゥイーター2405が搭載されています。ウーファーには2231A振動系重量の増加を磁気の強化で補い、さらにコーン紙密度や質量を大幅に改善した2231Aが搭載されました。この2231Aは、その前に発表されたJBL 4341/4330/4331にも搭載されています。このウーファー2231Aは、その後JBL 4331A/4333A/4343にも搭載されています。中低域(ミッドバス)として搭載された2202Aは、トッププレート、ポールピース、ボイスコイル、ギャップなどに高度な精密加工を施し性能を大きく高めています。また、この中低域(ミッドバス)として搭載された2202Aと、低域用ウーファー2231Aとの干渉を防ぐ意味から2202Aにはバックキャビティが設けられています。中高域(ミッドハイ)のドライバー2440には0.076mm厚のアルミ合金ダイアフラム、エッジワイズ巻きアルミリボン線ボイスコイル等を採用し、高域の2405には0.056mm厚のアルミ箔を空気圧で成型したリングダイアフラムを採用しています。エンクロージャー厚は20mmで、フロントバッフルの下に、連続可変式のレベルコントロールを搭載しています。また、最適な音源位置を確保るする意味から、ホーンドライバーとトゥイーターとは左右の入替えが可能となっています。
●JBL 4350A/4350AWX:1975年発売
・4ウェイ/5スピーカー・バスレフエンクロージャー(幅1,210×高さ890×奥行510mm)本体重量:125Kg
【ユニット構成】低域:2231A×2・中低域:2202A・中域:2440+2311+2308・高域:2405
【クロスオーバー周波数】250Hz(12dB/oct)
/1.1kHz/9kHz
【周波数特性】35Hz〜20kHz ±3dB 【指向特性】60゜×30
【連続プログラム許容入力】200W(250Hz以下)4Ω・100W(300Hz以上)8Ω
【インピーダンス】8Ω【能率】95.5dB(新JIS)
*JBL5235等のエレクトロニック・クロスオーバー(チャンネル・デバイダー)が必要
4ウェイの超弩級モニタースピーカーシステムJBL 4350のシリーズは超弩級とあって、いずれも出回っている台数が少ないこともあり中古市場で程度の良い物はなかなか出てこない。数年前、Yahoo!オークションに程度の良いものが出回っていたが、最近はほとんど目にすることがなくなっている。リビルト品が高値で出回っているが、やはりオリジナルを求めたいところです。また、これはJBL中古市場全般に言えることですが、中国マーケットで高値が付くことから本当に程度の良いものは国内での入手が困難になってきています。
JBL4350A:\800,000
JBL4333WXA:\850,000
*いずれも、1台の販売価格