JBL 4331A/4331AWX モニタースピーカー考察
JBL 4331A/4331AWX
JBL 4331A/4331AWX 解説
JBL 4331A/4331AWXはJBL 4330,4331の発売から2年後にJBL 4330,4331変わるモニタースピーカーとして発売されました。JBL 4331A/4331AWXではユニット構成の変更は行われずに同じですが、エンクロージャーの大幅な改良が行われました。エンクロージャーデザインが大きく変わり、フロントバッフル上でのユニット配置も大きく変わり、バッフルダクトの位置も大きく変更されました。また、JBL 4330,4331で指摘されていた箱鳴りを止める意味から、板厚を従来の約19mmから約25mm（バッフル従来通り約19mm）に変更されました。ユニット構成の変更はありませんでしたが、エンクロージャーの変更と強化によりJBL 4330,4331から音質は大幅に向上しています。また、ネットワークを搭載しないJBL 4330タイプのモデルは廃止され、スイッチ切り替えでマルチアンプでの使用が可能になりました。横置きへの対応から、音響レンズ2308が90度回転しての取り付けも可能となっています。JVCマスタリングセンターで、モニタースピーカーとして使用されています。また、大滝詠一氏も現在JBL 4331Aを使用しています。
●JBL 4331A/4333AWX：1976年発売
・2ウェイ・バスレフエンクロージャー（幅619×高さ778×奥行497mm）本体重量:57Kg
【ユニット構成】低域：2231A・中高域：2420+2312+2308・ネットワーク：3131A【クロスオーバー周波数】800Hz
【周波数特性】35Hz〜15kHz ±3dB 【指向特性】60゜×30(12kHz)゜
【最大許容入力】マルチドライブ時：75W（800Hz以下）・30W（800Hz以上）/ネットワーク時：75W
【インピーダンス】8Ω【能率】93dB（新JIS）
●JBL 4331A/4331AWX試聴の感想・その他
2ウェイタイプのJBLモニタースピーカーとなるとJBL 4320のような音を期待してしまいますが、僅かでもそのような期待を持って聴くとガッカリします。当然と言えば当然ですが、その片鱗はどこにもありません。JBL 4320のような軽やかに弾む低域はなく、それに変わり分厚く重い低域で効き方によっては、多少モタ付く感があります。JBL4320と比較するのではなく、当時のモニタースピーカーとして絶対的な評価をするのであれば優れたスピーカーであると思います。スーパートゥイーターが搭載されていないので、現代のプログラムソースでは高域不足の感は否めません。手を加えずに、2ウェイタイプのJBLモニタースピーカーとしてそのバランスに良さを最大限に活かす事を考えるべきです。
●JBL 4331A/4331AWX 現状の中古マーケット状況・その他
JBL 4331AはYahooオークションや、ネット上の中古販売店を小まめにチェックしていると程度の良い物を割と見かけます。JBL 4331AWXの方が流通量が少ないようです。音響レンズ2308が付属されずに販売されている中古品を見かけますが、これは音質上に大きな変化をもたらしますので有無を必ず確認すべきです。音響レンズ2308の功罪も確かにありますが、ほとんどの場合において装置した方が良い結果を生みます。販売者が音響レンズ2308を軽視するようであれば要注意でしょう。
●JBL 4331A/4331AWX 当時の販売価格
JBL 4331A/4331AWX4331A：\380,000
JBL 4331A/4331AWX4331AWX：\395,000
＊いずれも、１台の販売価格
