JBL 4350 モニタースピーカー考察

JBL 4350

JBL 4350 解説

JBLモニタースピーカーの最高ランクの製品として、JBLが威信をかけて開発したのがJBL 4350です。ちょうどその頃、超弩級モニタースピーカーの分野でウェストレイク社がT2という超弩級モニタースピーカーを発売したため、JBLとしての対抗モデルです。JBL初の4ウェイ構成のモニタースピーカーでクロスオーバーネットワークに一部分としてエレクトロニック・クロスオーバー(チャンネル・デバイダー)を導入しました。それは、低域と中低域以上をエレクトロニック・クロスオーバー(チャンネル・デバイダー)で分割し、2台のパワーアンプでドライブするバイ・アンプ(マルチ・アンプ)の方式です。ユニット構成は、低域38cmウーファー2230Aを2本、中低域(ミッドバス)30cmウーファー2202A、中高域(ミッドハイ)ドライバー2440とホーン2311+音響レンズ2308、そして高域にはトゥイーター2405が搭載されています。ウーファーとして搭載された2230Aのコーン紙はJBL独自のコーティング剤処理、ボイスコイルはエッジワイズ巻きリボン銅線を採用しています。中低域(ミッドバス)として搭載された2202Aは、トッププレート、ポールピース、ボイスコイル、ギャップなどに高度な精密加工を施し性能を大きく高めています。また、この中低域(ミッドバス)として搭載された2202Aと、低域用ウーファー2230Aとの干渉を防ぐ意味から2202Aにはバックキャビティが設けられています。中高域(ミッドハイ)のドライバー2440には0.076mm厚のアルミ合金ダイアフラム、エッジワイズ巻きアルミリボン線ボイスコイル等を採用し、高域の2405には0.056mm厚のアルミ箔を空気圧で成型したリングダイアフラムを採用しています。エンクロージャー厚は20mmで、フロントバッフルの下に、連続可変式のレベルコントロールを搭載しています。1973年に発売されたJBL 4350は、その後1975年にJBL 4350A、1980年にJBL 4350B、1983年にJBL 4355とその性能を高め発展します。いずれも、最適な音源位置を確保るする意味から、ホーンドライバーとトゥイーターとは左右の入替えが可能となっています。

●JBL 4350:1973年発売
・4ウェイ/5スピーカー・バスレフエンクロージャー(幅1,210×高さ890×奥行510mm)本体重量:125Kg
【ユニット構成】低域:2230A×2・中低域:2202A・中域:2440+2311+2308・高域:2405
【クロスオーバー周波数】250Hz(12dB/oct) /1.1kHz/9kHz
【周波数特性】35Hz〜20kHz ±3dB 【指向特性】60゜×30
【連続プログラム許容入力】200W(250Hz以下)4Ω・100W(300Hz以上)8Ω
【インピーダンス】8Ω【能率】95.5dB(新JIS)
*JBL5235等のエレクトロニック・クロスオーバー(チャンネル・デバイダー)が必要

JBL,モニタースピーカー,4350,4350WX

●JBL 4350 現状の中古マーケット状況・その他

JBL 4350、JBL 4350WXは大型であることもあり、販売された台数自体が少なく初期完全オリジナル品(ウーファー白コーン紙)は、程度の良し悪しに関わらず、めったに見かけることが無く入手は困難です。レストアやリビルトした、オリジナルとは言えない製品も中古市場に出回っているので注意が必要です。

●JBL 4350 当時の販売価格

JBL4350:\998,000
*いずれも、1台の販売価格


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